コラム COLUMN

バイオフィリアと遺伝

2025.04.30

サバンナ仮説

バイオフィリア仮説とよく似たものに、サバンナ仮説というものがあります。
サバンナ仮説とは、人の進化の大部分はアフリカのサバンナ(草原)で起きたと考えられ、サバンナの環境やその景観を好ましく思うのは人の進化論、遺伝的に人間にしみこんでいるという考えです。

サバンナの景観は、奥行きと広がりがあり、平らな草地に木々が散在して見通しがきく環境です。このため肉食獣の脅威に間近で遭遇する可能性が少なくなり、この環境が危険に遭遇した後のストレス軽減効果をもたらしたと考えられています。サバンナの景観を好む人が、森林を好む人より生き残り世界に広がったため、この性質は遺伝で気に今の私たちにも受け継がれているといえます。

植物の講

サバンナ仮説に基づくサバンナ効果

サバンナ効果とは、入口付近よりも空間の奥の方の照明を明るくすることで、人が安心感を抱いて奥に進むという心理的効果です。奥の植物に明るい光を当てると、暗い森の中で迷った人が、森の外に広がる太陽の光を浴びた明るい草原(サバンナ)を見て、暗い森から草原へ駆け出すという例え話から「サバンナ効果」と名付けられました。

これはサバンナに安心感を抱くという心理を示したものであると共に、建築領域で例えば店舗設計等、入口あたりよりも空間の奥の方の照明や光を取り込むことで、人が安心感を感じて奥に進むという空間デザインに活用されています。

デザイン図を基に植物の設置を

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